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field life under the tarp.

キャンプがすきなのである。しかしここでは野外天幕生活もしくは野営と呼んで欲しい。
馬鹿の一つ覚えのようにいつも行くところは、くじゅうの泉水ローズガーデンである。
薔薇の浮いた温泉露天風呂、焚き火無制限、占有面積無制限と地方ならではの絶好の条件。
どうだまいったかと思わず叫んでしまう事請け合いなのである。
2003-10-11〜13

レガシィのエンジンが壊れて以来、およそ一年半ぶりに天幕の下で活字と酒と温泉三昧を洒落込む。場所はいつもの泉水ローズガーデン。そろそろ寒くなってきたので少ないといいなぁと思いつつ日暮れに到着してみると、なんと子連れの団体が二組。旧来のキャンパー達は端のほうにひっそりと佇んでいたのであった。目の前の光景に少々の苛立ちを感じながらもスバヤクでかタープを建て、荷物を降ろして炭を熾し今宵の友である日本酒を暖めてクイーッ・・・

あぁ、やっぱり天幕の下は気持ちが安らぐなぁ... 酒も旨いし温泉もあるし。それにここに来る時の定番の豊後牛の霜降りもあるぞ。などとひとりごちているとだんだん風が強くなってきた。ふふふ、しかしこんなこともあろうかと思ってMOSSのウイングも持ってきているのだよ雨くん風くん。キミタチが怖くて天幕が張れるか〜!などと空に向かって吼えつつ風上のポールを一段落として風よけを張る。ついでに張り綱もダブル架けにして今宵の天幕強化作戦は終了。

気持ちよく酔ったところでちびランタンとともにテントに入ってテルテルボーズと化すが暑くて眠れない。パンツとシャツだけになって潜りこんでみるがダウンのシュラフはこの季節にはまだ早いのだ。と言うより本人の身体の中でアルコールが燃焼しているので熱いのである。ついでに脂肪も燃えてくれりゃぁいいのにと思いつつも、しょうがないのでまた服を着込んでシュラフを掛け布団代わりにしておやすみなさいとしたいのだがしかし外の餓鬼どもの狂喜に満ちた声がうるさくてうるさくて酒を追加注入してようやく眠りについた。

夜半に本格的に雨風が強くなってきて眼が覚める。トイレに行くついでに張り綱を確認してテントに戻ったとたんにタープが宙を舞う音が。見ると張り綱を掛ける部分の金属の輪が見事に千切れているではないか。ショックを受けつつリペアするがずぶぬれになってしまった。しょうがない、温泉につかって寝ることにしようと、まわりを見るとあっちはまるで大漁旗のようにタープが舞っているし、こっちでは潰れたテントの中で誰かがモガイテいる。わはは! 遅くまで騒いでいた天罰じゃ!

一夜明けるとなんとか晴れ間が見えてきた。早速温泉につかり眼を覚ますと腹が減ったので大量に飯を炊き、地鶏の卵をこれまた大量にゆでる。そしてまた当然の事のように酒を呑み活字を眼で追う。満足である。腹が満ちると眠たくなるのでテントにもぐりこむ。あぁ、この自堕落加減がたまらなく気持ちがよいのだ。この繰り返しで一日が過ぎてゆく。

そしてまた夜が明けるとしぶとい雨であった。ねこじゃらしのでっかい奴が濡れて光っているのに感動して写真を撮るが映りが悪くてちょっと落ち込む。昼過ぎまで太陽を待ってみるが姿を現してくれそうにないので、あきらめて撤収。ゴミ袋にタープとテントを放り込みそそくさとどこにも寄らずに家路に着いた。これでまた濡れたテントを乾かすという理由で出かけられるぞ。

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